前の記事では、投資初心者は投資信託で資産運用するなら米国株S&P500に連動するインデックスファンドを選ぶべきとお伝えした。
基本的にこのスタンスは変わらない。
しかし、中には国内企業に投資したいと考える人も多いことだろう。
今回は国内株に投資する投資信託を選ぶ基準を書いていこうとおもう。
- 国内銘柄への投資と言えば?
- 国内株はアクティブファンドという選択
- そもそもアクティブファンドとは何か。
- バブル崩壊後は国内市場は下降気味
- アクティブファンドで勝てる可能性
- どんな商品を選ぶべきか。
- アクティブファンドも視野に入れるべし
国内銘柄への投資と言えば?
いきなりだが、もしあなたが私のように投資初心者で、日本企業の株を買いたいと考えるなら、大方2つの方法がある。
①個別銘柄を買うこと。要するに投資したい企業の株を買うことである。
②国内の銘柄に投資する投資信託を買うことである。
①については、投資に回せる手持ち金(元本)が50万円以上あれば、なんとかできるだろう。
と言うのも、日本では各企業の株式や債券を保有する場合、株の最低購入単位というものが決まっている。
それは企業毎に異なっているが、大体が最低100株の購入が必要で、買い増しも100株単位であることが多い。
例えば、国内で最大の売上げと利益を出しており、国内時価総額1位のトヨタ自動車。
トヨタの1株の値段は執筆時点(2019/2/24)で6,720円だ。
つまりトヨタの株を購入しようと考えるなら、最低でも100株なので、少なくも67万2000円が必要ということになる。
もちろん大企業の中でも10万円以下で購入できる銘柄もある。
安定的に利益を求めるなら、トヨタのような日本を代表する企業に投資するべきだが、これを実現するにはやはりそれなりの資金が必要だ。
最近ではネット証券各社がミニ株と言って、1株から購入できる仕組みを作っているが、あくまで株の体験用だと考えていい。
投資の初心者がいきなり個別銘柄で稼ぐのは至難の業と言ってもいいかもしれない。
であれば、まずは低リスク・少額で始められる②の投資信託で運用する方が良さそうだ。
国内株はアクティブファンドという選択
結論から言おう。国内株の投資信託を考えているなら、アクティブファンドを選択肢に入れていいだろう。
勝てる投資で名高いインデックス投資だが、あくまでこれは米国の話だ。
日本国内の企業への投資なら、アクティブ投資をすべきだ。
そもそもアクティブファンドとは何か。
TOPIXや日経平均などの市場の指数に合わせて連動する投資をインデックスファンドの投資とするなら、その指数を上回る成績を目指すのがアクティブファンドの投資と言えるかもしれない。
インデックスファンドは文字通り、指数に連動するようにつくられた銘柄構成だ。
よって、商品の運用も機動的で手間暇もそれほどかからない。
つまり、運用する人(ファンドマネージャと呼ぶ)の人件費や調査にかかるコスト(費用)が非常に低い。
一方のアクティファンドは、指数を上回るための銘柄選びをする必要がある。
つまり、企業分析や市場調査はもちろん、経済動向によっては銘柄の入れ替えを行うなどのコストがかかってしまう。
これが運用手数料とか信託報酬と呼ばれるものだ。
インデックスファンドなら、この手数料は年率約0.17%〜0.3%程度だったりする。
例えば、楽天証券で販売されているものに以下がある。
■<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド・・・0.17%
■<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド・・・0.17%
一方、アクティブファンドなら、商品によって幅があるが、年率約1.0%〜2.0%程度だ。
例えば、TVに取り上げられたことで話題になっている、レオス・キャピタルワークス社の「ひふみ投信」。
こちらは、年率1.058%の運用コストがかかる。
このくらいならまだ低い方だとおもう。
アクティブファンド全体で見ると、2%弱のものが多い気がする。
こういったコストの差だけ、インデックスファンドにハンデを負うことになる。
ハンデを背負った上で、インデックス(指数)を上回らなければならないのだ。
そして運用期間が長期になればなるほど、多くのアクティブファンドでの投資や個別銘柄投資はインデックスファンドでの投資に敗北している。
これが個人投資家はインデックスファンドで投資するべきと言われる所以なのである。
バブル崩壊後は国内市場は下降気味
では、なぜ国内株はインデックス投資ではダメなのか。
こちらのブログを見てほしい。
ご丁寧にTOPIXや日経平均225の値動きをチャートで表示してくれている。
ご覧の通り、バブル崩壊を機に平成に入ってから多少の浮き沈みはあれど、下落傾向が続いている。
もしバブル崩壊前にインデックスファンドを保有し、平成の30年間運用していたら、大損していたことだろう。
アクティブファンドで勝てる可能性
長期運用すれば、勝てる投資の王道であるインデックス投資でも国内株に至っては散々たる結果になりうる。
だからと言ってアクティブファンドが勝ちやすいというわけではない。
実際に過去20年間で7割のアクティブファンドがインデックスファンドに負けている。
確かにこれだとアクティブファンドを買う意味はないように思えるだろう。
しかし、着眼点を変えてみてほしい。
残り3割は勝ち続けているのだ。
さらに5年〜10年程度であれば、4割〜5割くらいがTOPIXや日経平均を上回る成績を叩き出している。
よって、10年程度の運用であれば、十分アクティブファンドでインデックスファンドを上回る高リターンを出せる可能性は高い。
もし個別銘柄に投資する勇気がわかないならば、国内の銘柄はアクティブファンドで運用するのも一つの手だ。
どんな商品を選ぶべきか。
アクティブファンドによる運用の勧めは、楽天証券経済研究所で投資信託の評価業務を行なっている、篠田尚子が提唱している。
過去私のブログでも篠田氏の書籍を紹介している。
また、他にも投信に関する書籍を読み漁ったので、私なりの結論を書いてみたい。
まず篠田氏の他の書籍やインタビューを基に特にオススメしている商品が2つある。
・DIAM国内株オープン(運用管理費用:年率1.7%)
・三井住友・配当フォーカスオープン(運用管理費用:年率0.90%)
「DIAM国内株オープン」は様々な書籍や投資雑誌で取り上げられている、勝てる投信と呼ばれる代表格だ。
大企業を中心とした銘柄だが、一部中小型株を組み入れ、状況に応じて銘柄入れ替えを行うことが特徴だ。
その甲斐あってか、10年以上TOPIXを上回る成績を出している。
私も1年(2018年2月〜2019年2月まで)運用してみた。
最初こそよかったものの、2018年10月ごろからの世界的株安の影響を受けて、大きく下落した。
そして、なかなか回復が遅れている状態だ。
費用対効果を考えると、まだまだ様子見なところは多いが、米国株のインデックファンドの持ち直し具合をみていると、やはり運用成績は厳しい。
2つ目の「三井住友・配当フォーカスオープン」についても見解を述べたい。
これは企業の配当を狙って運用されている。
「DIAM国内株オープン」ほどではないものの、緩やかにTOPIXを上回ってきた。
こちらもパフォーマンスはまだ回復途上である。
ただし、運用コストが比較的低い方(信託報酬は0.9%)なので、一度試してみる価値はあるかもしれない。
ちなみに私が注目しているアクティブファンドが 別に2つある。
・コモンズ30ファンド
・スパークス・新・国際優良日本株ファンド
詳しくはおんつじさんのブログを読んでほしい。
どちらも銘柄を少数に絞って運用している。
厳選投資は20銘柄、コモンズはその名の通り30銘柄程度の集中投資である。
つまり、企業のブランド力や業界内での強み、長年の実績や事業の先行きなどを考慮・調査し、選抜された日本企業と言い換えてもいいだろう。
これらが今後どうなるか楽しみではあるが、すでにパフォーマンスが回復し、良好な状態である。
アクティブファンドも視野に入れるべし
ここまで見てきたように、インデックス投資にもアクティブ投資にも一長一短がある。
もし国内株に投資したいと考えるなら、多少のコスト覚悟でアクティブファンドを買うのもいいかもしれない。
何より少額で始められるので、試しにどれくらいのパフォーマンスを出すのか実験してみるといいだろう。
そして、5年〜10年の間で別の投資信託に乗り換え、運用するというのも一つのやり方だ。
いずれにしても、目指すのは高い収益だ。
それを実現できそうな投資を選ぶべきだ。